様々な身体の痛みの総論
天城流で検証!
今回は部位別の痛みの前に、 「痛みの総論」 に焦点を当てたいと思います。
前回の膝の痛みの記載の中で、
「関節の痛みは、炎症ではなくて展張痛である」
ということを書きましたが、殆どすべての整形外科で診る痛みは、「展張痛」 です。
ではまず、現代整形外科では「痛み」をどう考えているのでしょう。
現代医療では、痛みを大きく2つに分けます。
① 急性痛
・・ 外傷(骨折や捻挫など)による痛みや手術後の痛み、熱傷、急に起こった腰痛(ぎっくり腰)や寝違えて急に痛くなった首の痛みなど。
とにかく、痛みが出てすぐの状態は急性の痛みとして、ほぼ 「炎症」 ということで説明されます。
身体中に分布している 「侵害受容器」 が刺激・ダメージを受けて、そこから炎症物質を放出することで起こる痛みと説明されます。
この 「急性の痛み」 の時期は(一般的に)3週間~3か月くらいまでとされています。(人によって、急性と慢性の時期の定義には多少違いがあります。)
従って、この期間はいわゆる 「痛み止めの薬」(=消炎鎮痛剤) が投与されることが一般的になっています。
治療としては、鎮痛剤や湿布の投与、固定(安静)、(腫れや熱感が強いときに)アイシング、物理療法や理学療法などです。
もちろん、外傷性の場合には骨折や創部の治療を優先して行います。
② 慢性痛
・・ 実際の臨床の現場でなかなか治療できていないのが、この「慢性痛」。
3~6か月以上続く慢性的な痛みで、急性痛の治療を行ってもほとんど改善しない、あるいはさらに痛みが過敏になったり、
色々な不快感、身体反応を伴ってきて複雑な症状となる痛みです。
関節や骨の変形などにより慢性的に「侵害受容器」が刺激されて起こっていると説明されたり(変形性関節症、リウマチなど)、
「神経障害性疼痛」 と呼ばれる神経性の痛み(末梢神経や中枢神経が直接痛みを伝えている) であったり(いわゆる神経痛や糖尿病性神経障害など)、
「心因性」の痛みであったり(都合が悪くなると心因性にされて心療内科に回される)、
と 現代医療ではこれらが絡み合った複雑な病態ということになっています。
この段階になると、痛み止めの薬はほぼ効果がなく、最近流行りの「神経障害性疼痛薬」(=リリカなど)が投与されたり、
オピオイド系(麻薬)の薬や抗うつ薬、向精神薬も組み合わされたりします。
神経ブロック注射、温熱などの物理療法、理学療法など組み合わせて治療されますが、なかなか功を奏していないのが現状です。
とにかく、現代医療ではどのような痛みに対しても 「まずは薬」 という考え方です。
それでは、私は診療内でどうしてきたか、、 というと、
急性痛 →
原疾患(外傷や感染など)の治療、
明らかな神経痛が著明なときに神経ブロック注射、
圧痛が著明なときのトリガーポイント注射や関連の経絡・経穴注射、
局所の安静、固定、
痛みが強くて眠れない・仕事に支障があるときに限っての鎮痛剤頓服(長くても4,5日分)
リラクゼーション中心のリハビリ
慢性痛 →
薬物は使わない。(麻薬系や神経障害性疼痛薬は、脳・脊髄に作用する恐ろしい薬。絶対にお勧めしません!)
温熱療法(局所と身体を温める)
リハビリ
食の指導 (長く続く不調は、まず食の改善は必須)
足を整える (足からのゆがみ、衝撃が慢性的な痛みの原因)
副交感神経を高める (呼吸や生活習慣の指導)
ヒーリング (奉仕)
など。
ただの一般的な整形外科的治療(投薬、注射、電気治療)に比べると、特に慢性痛に対する「統合医療的アプローチ」で、
きちんと指導に従って頂く患者さんにはかなりの効果が出ています。
「線維筋痛症」 のような強い、体中が痛むような病態に対しては、なかなか現代医療では対処できていないのが現実です。
・・・ 以上、ざっとですが、現代医療現場での痛みに対する考え方や治療内容を紹介しました。
さて、それでは 「天城流湯治法」 では、このような痛みをどう捉えて、どう対処しているのでしょうか。
まず、「痛みの分類」 を以下のように定義しています。
① 膨張痛 (外傷によって起こる痛み)
(現代医療でいう「急性痛」に相当する痛み。)
切り傷、火傷、打ち身などの痛みは、その原因の炎症のために起こってしま
う腫れが神経を圧迫して刺激されて痛む。 この痛みは炎症の痛みなので、3日間=72時間、ズキンズキンと痛む。
しかし、炎症は72時間で治まる ので、それ以降の痛みは、そのダメージによっててきてしまった滞り
によって起こる 「展張痛」 なのである。
(現代医療では 急性痛の時期は1~3か月とされますが、天城流では急性の炎症は3日で治まる、と説いています。
私の30年の医師経験からも、炎症は3日で治まっていると納得できます。)
② 展張痛 (関節の痛み)
筋肉に滞りができて硬くなった結果、腱が委縮して、骨に癒着して、動きが硬くなり、引っ張られて関節が緊張して
起こる痛み。ほぼすべての関節の痛みがこれであり、原因は他の部位にある。
③ 疼痛 (触っただけで感じる皮膚の表面上の痛み)
身体の表面上に起こる疼痛。表面上に存在する神経が、ある部分の滞りによってリンパの流れが悪くなって、神経自体が乾き、
はりついてしまって起こる痛み。 いわゆる神経痛や肋間神経痛、など。
正常の神経の周りには体液が流れており神経膜に被われている。だから刺激があっても軟らかく受け止めて痛くないが、
左図のように、リンパや体液の滞りがあると神経の周りが乾いてしまい、刺激を直接受けてしまい痛みを感じる。
④ しびれ痛
筋肉内に滞りができて血液の流れが悪くなり起きてしまう麻痺系の痛み。
⑤ 幻肢痛
事故などで失ってしまった腕や足の先が痛んだり、痺れを感じたりする症状。
天城流では、現代医療では全く解明されていないこの「幻肢痛」に対しても、原因と処置がわかりやすく説明されています。
(ここでは割愛させていただきますが、もし苦しんでいる方がいれば是非ご連絡ください。)
現代医療で 「慢性痛」 といわれている複雑な病態も、
天城流ではシンプルに
「筋肉が滞って硬くなり、血液・リンパの滞りを生じているから」
となります。
私たちはよく、脊椎の治療や手術をするときに、
「痛みはよくなりますが、しびれはなかなかとれません」
と説明します。
これは、神経痛の場合、痛みは神経の直接の圧迫による症状なので手術で圧迫をとればよくなるけど、
しびれは神経自体が変性して傷んでいる症状なので、手術をしてもよくなりにくい、あるいは却って悪くなる
こともある、という内容で説明していました。
(現に、手術してもしびれはなかなかとれにくいのです。)
しかし、、 天城流では、
「しびれは神経からではなく、血流の阻害だ」
と述べており、実際にその滞りの部位をほぐすと、しびれもとれてくるのです。
原因が神経の圧迫からの変性 → 現代医療で手術してもとれない
原因が滞りによる血流障害 → ほぐせば痺れもよくなる
どちらが正しいかは、結果を見れば一目瞭然。
ここでもまた 「現代医療の考え方が完全に覆されました。」
近いうちに 「腰部脊柱管狭窄症」 のことも詳しく書きますが、
現在手術を受けておられる8割から9割の患者さんは、実は手術を受けなくても痛みやしびれを軽くできます。
なぜなら、原因が 「脊柱管での神経の圧迫ではない」 のです。
(1割くらいの方は脊柱管由来かもしれません。そのような方は、必ず、どんどん悪くなる筋力低下や知覚障害、膀胱直腸障害、といった明らかな神経麻痺症状があります。
そうでなければ、痛みやしびれ、間欠性跛行は、あわてて手術しなくてもよくなります。)
現代医療では原因不明で難解な病とされている
「線維筋痛症」
も全身の滞りです。
①お腹 ②肩甲部 をほぐすとよいのですが、何よりも 「咀嚼」 が足りないからです。
2つ前の記載通り、
「すべての身体の不具合は咀嚼不足から」
起こっています。
これらすべての痛みの原因となる 筋肉の滞り、血流の滞り、は 「咀嚼が足りないから」 起こるのです。
現在、慢性的に痛みやしびれで困っている方たちへ、
「まずしっかりと噛みましょう」
そして、
「原因となっている部位をほぐしましょう」
さらに、体の中からきれいにする=血液の浄化、解毒ができるのは
「食」
です。 「咀嚼」を基本にして、
「食材= 玄米菜食・発酵食品・自然のもの(塩、真水)」
「食べ過ぎないこと」
「食べ物への感謝」
を忘れずに、嫌な痛みから解放されましょうね!!
以上、「痛みの総論」を今回は見てまいりました。
天城流湯治法テキストより;
「治してほしい部分は表面上に浮いている」
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