肘の痛みについて(テニス肘、手首の腱鞘炎など)

 

整形外科外来の中では結構多い疾患であり、

 

「重病ではないけど、実際の生活の中では非常に困る」

 

という、

 

 

① テニス肘 (上腕骨外側上顆炎) 

    または 上腕骨内側上顆炎

 

② 手首の腱鞘炎 (デケルバン腱鞘炎)

    やほかの腱の痛みなど

 

 

に関して検証したいと思います。

 

 

 

① テニス肘 (上腕骨外側上顆炎)

   や 上腕骨内側上顆炎、 肘の他の炎症など

 

 

【現代整形外科では】

 

 

テニスのバックハンドストロークなどの繰り返しにより、テニス愛好家に起こりやすいのでこの病名がついています。
他にも、手首をよく使うスポーツや腕に負担のか

かる仕事などで、前腕の伸筋群が付着している上腕骨外側上顆の部分が痛み、ときに腫れることもあります。

 

 


 

 

 

 

①長撓側手根伸筋

②短撓側手根伸筋  ・・手首を反らす(背屈)させる

③総指伸筋     ・・手指を伸ばす

 

が外側上顆に起始部をもちます。
これらの筋肉を使いすぎることで起こる「炎症」というわけです。

 

 

 

治療法は、


① 炎症なので、消炎鎮痛剤の投与、湿布

② 痛みが強いときは、ステロイドの局所注射

③ 前腕筋のリラクゼーションやストレッチ

   なるべく使いすぎないように指導

④ 筋の動きを抑えるために テニスエルボーバンド を筋の太いところに巻く(下図)

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの保存療法で経過を見ることが多いのですが、過去の経験からは、

 

 

 

 

「なかなかよくならない」 ことが多いのです。

 

 

「右手は日頃の生活の中でどうしても使うからですね~」 とか、

 

 

「仕事の負担がどうしてもかかりますからね」 とか、、

ある意味、「仕方ない」 といった空気感が流れて、

患者さんも 「うまく付き合っていくしかない」 と半ばあきらめて、

そのうち数か月のうちに軽くなる、

というパターンが多いのが現状です。

 

 

 

あまりに頑固な痛み、強い痛みが続くときは、

 

 

 

 

⑤ 手術 (腱の切離、切開、癒着剥離、など)

 

 

を行うDrもいるようですが、私自身はこの疾患に手術をしたことはありません。

 

 

開院後の当院での治療は、

 

*薬は極力使いませんので、主に、リハビリで 低周波、ストレッチやエゴスキュー運動、上肢アライメント調整、 など

 

*イリスエスリーク塗布(天然成分の万能ジェル)

*経絡注射

*痛みと腫れが強い場合のみ1回だけステロイド注射

*希望者には湿布

で対処していました。

 

リハビリの効果はあるのですが、なかなかすぐによくなる効果的な方法がない、というのが実情です。

 

 

 

 

 

 

② 手首の腱鞘炎 (デケルバン腱鞘炎)

   や 他の手首の痛み、腱の炎症など

 

 

【現代整形外科では】

 

手首の腱鞘炎もまた日常よく遭遇する疾患です。


特に親指側の手首が痛くなる 「デケルバン腱鞘炎」 は、赤ん坊を抱っこする主婦の方や、手首を酷使する仕事の方などによく見られます。

 

手背の第1コンパートメントと呼ばれる親指側の区画には、

 

① 短母指伸筋腱 (母指を伸展させる)

② 長母指外転筋腱 (母指を広げる)

   の2本の腱が通っており、それが

③ 腱鞘 (腱が通るトンネル)

   の中を通っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

母指を使いすぎたり、手首に負担がかかりすぎると、③腱鞘 が肥厚して腱を通りにくくすることで、痛みや炎症が起きるとされています。

 

特に、第1コンパートメントの中には、この2本の腱を分ける 隔壁 が存在していることが多く、狭窄を来しやすいとされます。

 

 

(これは、実際に手術まで至ったケースでは、腱鞘がガチガチに肥厚しており、隔壁も存在して腱が全く動かないといった状態であることが多かったです。)

 

 

 

・・ここまでの画像は日本整形外科学会HPより引用)

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

治療法は、

 

① やはり炎症なので、消炎鎮痛剤や湿布の投与

② できるだけ安静を保つ 

   (ひどいときはギプスや装具で固定)

③ 痛みが出る方向に手を使わない

   (母指や手首を小指側に曲げる・伸ばす動作で痛みが

強くなるので、物を持つときは掌を上にした状態で持つ、

など)

④ 痛みや腫れが強いときはステロイド注射

⑤ リハビリ  低周波や筋リラクゼーションなど

 

どうしても頑固で強い痛み、母指が動かせない、といった重い症状があり、腱鞘がガチガチに硬い場合に

 

 

⑥ 手術 (腱鞘切開)

となります。

 

 

私も総合病院勤務時代は数件、この手術を行いましたが、手術に至るようなひどい人は、 (上述したように)狭窄が強く、手術によって術後の経過はよかったです。

 

 

ただ、これは 「本当の治し方」 を知らなかった時代の、あくまで 「対症療法」 としての結果でした。

 

 

 

 

開院以後の当院での治療方針は、

 

 

 

 

*リハビリ主体 (低周波、筋リラクゼーション、上肢全体のアライメント調整・筋バランス調整、など)

 

*生活指導・手の使い方指導

*イリスエスリーク塗布 (天然成分の万能ジェル)

*経絡注射

*希望者には湿布や、腫れが強い場合は1回だけステロイド注射

 

など、でしたが、

 

やはり手を使う生活を続ける以上、なかなかすぐには改善しない、というのが一般的でした。

 

 

さて、、

 

 

 

おそらく今の整形外科では上記のような治療内容だと思います。

 

 

 

 

それでは、今年の1月から出会った 「天城流湯治法」 では、 これらの痛みをどう捉えているのでしょうか?

 

 

 

 

これはもう、 「今までの整形外科常識を完全に覆させる」 理論、内容でした!

 

 

 

 

【天城流湯治法での肘・手首の痛み】

 

 

 

 

 

「天城流湯治法」 ではすべてがシンプルです。

 

 

そして、 「身体はすべて繋がっている」 のです。

 

 

 

「肘の痛み」は、

 

上腕骨外上顆炎も、

 

内側が痛くなる上腕骨内上顆炎も、

ほかの腱の痛みなども、

 

ほぼ 「肩甲骨の滞り」 から来ています。

 

 

 

現代整形外科では、その部位に直接ついている筋肉をストレッチなどでほぐそうとするのですが、

 

 

 

天城流では、

 

 

痛みの原因は、離れた場所にある。

 

 そこの滞りによって、先に繋がっている部位に痛みが出る。」

 

「(急性期の痛みを除いて) 痛みは炎症ではなく、展張痛である

 

 

「人の身体の中にフラクタル(相似形)があり、お互いに関連している」

 

 

との基本理論により、

 

 

「肘の痛みは肩甲骨から来ている」

 

 

というのです。

 

 

 

さて、実際に肘の外側、内側が痛い人は、たくさんお見えになりましたが、

 

 

「ほぼすべての人が、肩甲骨に張り付いている筋(主に棘下筋)が硬くて、リリースすると痛い」

のです。

 

 


 

 

 

 

 

上の図の通りで、肘が痛い人は、まず肩甲骨をほぐすことで治ります。

 

 

 

「ほぐす」 とは、今まで記載してきた通り、筋を揉むのではなく、「骨から剥がす」ということです。

 

肩甲骨という平ぺったい骨に張り付いている筋肉を、指先や爪を使って剥がしていくのです。

 

(指導者は、躰起点を切って一気に緩めることができます。

 それからほぐすと効果的です。)

 

 

さて、次は 「手首の痛み・腱鞘炎」 です。

 

 

 

これは、 「大胸筋の滞り」 からきています。

 

 

 


 

 

 

 

大胸筋を、外側から、奥の肋骨から引き剥がすようにしてほぐします。
手首が痛い人は、ここはほぼ硬くなっており、リリースするときに痛みを強く訴えます。

 

 

 

尚、手首を回して痛いときは、大胸筋の下の肋骨の外側に張り付いている 前鋸筋の腱 を骨から剥がすとよくなります。

 

 

これも必ず押さえると痛くなっています。

 

腱や筋が骨に張り付いているところは、押さえたり引き剥がすときに強い痛みを伴うのです。

 

 

 

どうでしょうか?

 

 

現代整形外科では、色々な方法で治療を試みていますが、なかなかすっきりしないこれらの病態を、

 

 

「天城流湯治法」では、 シンプルに、 その原因部位を特定して、その部位をしっかりとほぐせば痛みはとれる、 ということなのです。


そして、実際に痛みは取れます!

 

ともすると、新患でお見えになった肘痛の人も、診察内で肩甲骨を緩めて2,3分ほぐしただけでよくなって、リハビリも受けずに帰られる方もおられます。

 

 

さすがに、こんなときは 「自分でやり過ぎずにリハビリに回せばよかった・・」 などと一瞬思ったりもしますが、 そこはすぐに 「患者さんが一瞬にして楽になってよかった~」 との感動の方が強くなります^^.。

 

本当に、日々の診療が楽しくて仕方なく、今までの整形外科の常識が覆される日々が続いています!

 

 

患者さんがよくなり、喜んでいただくのが私たち医師の仕事。

 

そして 

 

「超一流は人に治し方を教える」 

 

 

との 

 

 

天城流創始者=杉本錬堂師匠

 

 

のお言葉を、忠実に実行して、私だけでなく、当院のリハビリスタッフ全員がそうなるように、この 真の医療 を広めていけるように邁進してまいりたいと思います!

 

ひらの整形外科 電話:093-932-1770 当院へお気軽にご相談下さい
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